上司から、自分の見積もり単価を聞かされたことがあります。月60万円でした。自分の月収は額面で月30万円。差額は30万円になります。SESエンジニアとして5年ほど、これまで数社の客先常駐を経験してきましたが、単価と月収の差をここまではっきり数字で突きつけられたのは、この一度きりでした。今回は、その時のことと、そこから見えてきた「単価と比べるべきは手取りではなく額面だった」という気づきを、そのまま書いておきたいと思います。
この記事で分かること
- 見積もり単価60万円、月収(額面)30万円という実際の数字の差
- 単価と比べるべきなのは手取りではなく額面だという整理
- 月次だけで見た差と、ボーナスを含めた年収ベースで見た差の印象の違い
- 単価を知っても私が特に行動を起こさなかった理由と、そこから見える構造
目次
見積もり単価60万円、月収30万円だと聞かされた日
これは2社目のSES時代の話です。所属していた会社が受けていた案件は、元請けから見て3次請けの立場でした。多重下請け構造の中でも比較的深い階層で、上流の工程を担う元請けや2次請けとの間に、複数の会社が挟まる形になっていました。
普段、現場で作業をしているだけでは、自社がいくらで契約しているのかを知る機会はほとんどありません。単価の情報は営業担当や上司が把握しているだけで、常駐しているエンジニア本人には基本的に降りてきません。実際、自分もそれまでの現場で単価をはっきり知らされたことは一度もありませんでした。
ところがある時、上司から自分の見積もり単価を直接聞かされる機会がありました。元請けが支払う単価は月60万円。一方で、自分の月収は額面で月30万円でした。差額は30万円。これは自分の月収とほぼ同じ額が、どこかに消えているという事実でもありました。
単価を知った時の感想は、飾らずに言えばそのままでした。「こんなに会社に取られるのかと感じた」というのが、当時の実感に一番近いです。ただ、その30万円が実際にどこへ流れていったのかを、当時の自分は深く追及しませんでしたし、正直に言うと今もその内訳は正確には把握していません。
差額30万円の内訳を、私は今も把握していません
自分の30万円がどんな内訳で消えていったのか、当時も今も正確には分かりません。上司から単価を聞かされた時も、それ以上の説明があったわけではありませんし、自分からそれ以上突っ込んで聞くこともしませんでした。聞いたところで何か変わるとも思えなかったからです。
分かっているのは、多重下請けという構造そのものです。元請けから2次請け、2次請けから3次請けへとお金が流れていく過程で、それぞれの会社が自社の取り分(マージン)を乗せていきます。業界メディアの調査では、SESのマージン率はおよそ20〜60%、還元率(請求単価に対して本人に払われる給与の割合)はおよそ60%前後とされています(出典: SES Beginner)。
マージン率と還元率、言葉の整理
マージン率は、元請けからの請求単価のうち、その会社が自社の取り分として差し引く割合を指します。還元率はその逆で、請求単価のうち実際に本人へ給与として渡る割合のことです。ネット上の解説記事では「マージン率30%」のように語られることが多いですが、実際にどの契約の、どの階層のマージン率を指しているのかは記事によって曖昧なことも多いです。
自分の場合、60万円の請求額に対して30万円が差し引かれているので、単純計算するとマージン率は約50%、還元率は約50%ということになります。一般的とされる水準よりやや低い計算です。もちろんこれは自分の1件のケースを単純に割り算しただけの数字であり、会社の経費構造や契約条件まで踏み込んで検証したものではありません。ただし、この30万円には複数の会社を経由する過程でそれぞれが乗せた分がまとめて含まれているはずで、自社1社だけの取り分がいくらなのかは、この数字からは分かりません。当時感じた「取られすぎている」という感覚が的外れではなかったことだけは、この計算からも見えてきます。
比べるべきは「額面」であって「手取り」ではない
ここで一つ、整理しておきたいことがあります。自分が実際に知らされたのは、会社から支給される額面の月収30万円という数字だけです。そこから税金や社会保険料が引かれた後の「手取り」がいくらになるかは、当時の自分は正確に把握していませんでした。今回この記事を書くにあたって、額面30万円から標準的な控除で試算してみたところ、手取りはおよそ23万円になるようです(独身・扶養なし・協会けんぽ・40歳未満という前提の目安計算で、社会保険料が約4.27万円、所得税が約8,178円、住民税が約1.99万円という内訳です。出典: 税金奉行の税金解説書)。自分の実際の手取り額と厳密に一致するとは限りませんが、目安としてはこの程度だと考えられます。
額面30万円と手取り約23万円の差、およそ7万円は、SESの多重下請け構造による中抜きとは無関係の、給与所得者なら誰でも引かれる税金と社会保険料の話です。単価60万円と比べて「取られすぎている」と感じるとき、比較の対象にすべきなのは手取りではなく額面のほうで、この7万円分まで「会社に中抜きされた」と考えるのは正確ではありません。同じように単価と手取りを比べてショックを受けたことがある人がいたら、その差の一部は会社の取り分ではなく自分自身の税金・社会保険料である可能性があることは、判断材料として知っておく価値があると思います。
この整理を踏まえると、単価60万円と比べるべきは額面の30万円で、マージン率・還元率はどちらも50%という計算になります。ただ、この50%という数字も、月々の請求単価と月収だけを比べたものです。今回この記事を書くために年収ベースで計算し直してみたところ、さらに印象が変わりました。自分の月収には別途、ボーナスが年2回、額面ベースで合計年3ヶ月分程度支給されており、これを含めると額面の年収は30万円×12ヶ月+90万円で約450万円になります。請求単価を単純に年換算した約720万円と比べると、還元率は約62.5%です。これは業界の還元率相場「60%前後」と同程度かやや上回る水準で、月次だけを見て感じていた「取られすぎている」という印象とは、ずいぶん違う数字が出てきました。
ただし、当時の自分がこの年収ベースの捉え直しをリアルタイムでしていたわけではありません。上司から聞かされた時に頭にあったのは、あくまで月々の60万円と30万円という数字だけで、そこにボーナスを差し引いて考える余裕はありませんでした。62.5%という数字に気づいたのは、この記事を書くために改めて計算してみた今回が初めてです。
業界でよく説明されるマージンの中身は、営業担当者が案件を探し、契約や稼働管理を行うための人件費、社会保険料の会社負担分、有給休暇や研修費といった福利厚生、そして各社の利益、といったところです。ただ、このうちどの項目にいくら充てられているのかを、常駐しているエンジニア本人が内訳付きで知らされることはまずありません。自分の場合も、30万円という総額だけを提示されて、それ以上の説明は特にありませんでした。
この「単価を教えてもらえない」「聞いても内訳が分からない」という感覚は、自分だけのものではないようです。公正取引委員会が2022年に公表した調査では、多くの事業者が実際の取引に関与していない「中抜き」事業者の存在を感じている、と指摘されています。同じ調査では、下請け企業の15.7%が「買いたたき」を経験したと回答し、13.5%が下請代金を一方的に減額されたと回答しています(出典: i Magazine)。
報告書には、買いたたきを経験した企業から寄せられた具体的な声も紹介されています。「予算が足りないから」と著しく低い金額を一方的に提示された、賃上げに伴う単価引き上げを求めたのに一方的に据え置かれた、元請けの受注価格が低かったことを理由に契約単価を30%カットされた、といった内容です。自分が知らされた30万円という差額がこれらの事例のどれかに直接当てはまるわけではありませんが、下請けの立場にある会社が値下げ圧力にさらされやすい構造の中に、自分の会社も、そして自分自身もいたのだろうと思います。
調査の対象と、業界の中での位置づけ
この調査は2021年10月から2022年6月にかけて行われたもので、対象は下請法上の下請け事業者になり得る資本金3億円以下のソフトウエア開発業者、約2万1000社でした。このうち4739社が法人として回答し、フリーランスSE540人、会社員として働くSE1776人からも聞き取りが行われています。公取委がITサービス業を対象にこの規模の調査を行うのは18年ぶりだったといいます(出典: 日経クロステック)。
調査の背景には、情報サービス業が下請法違反の被疑事件でもっとも多い業種だという実態があります。2021年度に公取委と中小企業庁がまとめた下請法違反の被疑事件のうち、業種別で見ると「情報サービス業」が8.93%を占め、他のどの業種よりも多くなっています。これを受けて公取委は2022年、「優越的地位濫用未然防止対策調査室」を設置し、下請法の適用外の取引にも立ち入り調査できる「優越Gメン」という専任職員を置いています。SESを含むソフトウエア開発の多重下請け構造は、行政からもそれだけ問題視される水準にあるということなのだろうと思います。
調査では、付加価値を生まないのに取引に介在する「中抜き」事業者の存在を感じたことがあるかも聞かれています。全体では25.9%がその存在を感じたと回答しましたが、多重下請けの一番下流に位置する最終下請け事業者に限ると33.5%、3社に1社以上がその存在を感じていました。自分がいた3次請けという立場は、この最終下請けに近いか、あるいはもう1段階手前だったはずで、この数字が示す状況とそう遠くない場所にいたのだと思います。
正直に言うと、こうした業界の相場や調査結果を自分の意思で調べたのは、この記事を書くにあたって今回が初めてでした。単価を聞かされた当時は、そこまでする気力も関心もありませんでした。30万円という数字だけを受け止めて、それ以上調べようとはしなかった自分がいます。
なぜ、単価を知っても何もしなかったのか
単価を知った後、自分がとった行動は「特に何もしなかった」に尽きます。上司に交渉を持ちかけたわけでも、その日から転職活動を始めたわけでもありません。理由を一言で言えば、「一手も変わらないから」でした。声を上げたところで、契約の構造自体が変わるとは思えなかった、というのが正直なところです。
交渉するという選択肢が頭に浮かばなかったわけではありません。単価を上げてほしいと申し出ることも、還元率の見直しを求めることも、理屈の上ではできたはずです。ただ、契約の当事者はあくまで自社と元請けであり、常駐しているエンジニア個人が単価交渉の場に呼ばれることはありません。仮に上司に相談したとしても、それが実際の契約条件にまで反映されるとは考えにくいと感じていました。
転職という選択肢も同様でした。単価と手取りの差そのものは、勤め先を変えたところで別の形で存在し続けるだろうという予感がありました。SESという働き方を続ける限り、この構造自体からは逃れられない、という感覚がすでにその時点であったのです。
今振り返ると、この感覚は自分が特別に諦めが早かったというより、3次請けという立場に置かれた個人ができることの少なさそのものだったのだと思います。単価を決める契約自体は会社同士が結ぶものであり、常駐しているエンジニア本人がその交渉の場に直接つくことはまずありません。自分にできたのは、聞かされた数字をただ受け止めることだけでした。
同じ現場にいた他のメンバーが、この差についてどう感じていたのかは分かりません。単価の話を誰かと突っ込んでした記憶もありません。給与や単価の話は、現場の同僚同士でもあまり話題にしないものだった、というのが自分の印象です。
ポイント: 単価と手取りの差を知ったからといって、それが即座に交渉力になるわけではありません。契約の当事者はあくまで会社同士であり、現場に立つ個人が持てる情報と、実際に動かせる範囲との間には距離があります。だからこそ、単価を知って何もできなかったとしても、それは個人の交渉力不足ではなく、契約構造上の制約だと捉えておくほうが実態に近いはずです。
他の現場でも「単価より給与が低いのは仕方ない」と感じてきました
この60万円と30万円の話は、1つの現場だけの特殊な出来事ではありません。これまで経験してきたどの現場でも、請求単価より自分の給与が低い状態はずっと続いています。金額の詳細を毎回確認してきたわけではありませんが、差があること自体は当たり前の前提として受け止めてきました。
最初にこの差を知った時は、正直かなり驚いた記憶があります。ただ、現場を移るたびに同じような構造に直面するうちに、驚きよりも「またか」という感覚のほうが強くなっていきました。数字そのものを毎回確認しているわけではありませんが、単価と手取りの間に一定の開きがあることは、SESで働く上での前提条件のようなものとして自分の中に定着しています。
正直に言うと、今の自分の感覚は「単価より給与が低いのは仕方ない」という一言に近いです。これは開き直りというより、諦めに近い感覚です。SESという働き方を続ける以上、この構造そのものからは逃れられないという感覚が、どこかにずっとあります。
SESが単価を教えたがらない理由をどう見ているか
単価を教えてもらえるケースは、自分の経験の中でもかなり少ないです。多くの現場では、契約単価は会社同士の情報であって、常駐する本人に開示する義務はない、という整理がされています。今回のように上司から直接聞かされたのは、自分の経験の中でもむしろ例外的な出来事でした。
単価を明かしたがらない理由として業界でよく語られるのは、下位の階層に単価が伝わると「その分もっと給与を上げてほしい」という交渉が発生しやすくなる、という会社側の警戒です。加えて、マージンの取り方自体が各社の経営判断に関わる部分であり、取引先である下請け企業に対してすら見せたくない情報だという事情もあるのだろうと思います。この点は自分が直接確認した話ではなく、業界の中でよく言われている説明として受け止めています。
準委任契約と多重下請けの基本的な仕組み
SESの契約の多くは準委任契約と呼ばれる形態で結ばれます。成果物の完成を約束する請負契約とは違い、労働力の提供そのものが契約の対象になります。元請けが受注した案件の人手が足りない場合、協力会社に声をかけて人員を確保し、その協力会社もまた人手が足りなければさらに別の会社に声をかけます。これが繰り返されることで、1つの案件に3次請け、4次請けといった会社が連なっていきます。
この構造自体は、IT業界に限らず建設業など他の業界でも見られるものだと言われています。IT業界、特にSESの領域では、この多重下請け構造が長年にわたって問題視されながらも、業界の商習慣としてなくなっていません。冒頭で触れた公正取引委員会の調査が続けられていること自体、この構造が今も解消されていない証拠なのだろうと自分では受け止めています。
この構造の中で、どの階層の取引が法律で保護されるかは、会社同士の資本金によって線引きされています。下請法が適用される「親事業者」「下請け事業者」の関係は、発注元の資本金が3億円を超える場合は発注先の資本金が3億円以下であれば、発注元の資本金が1000万円超3億円以下の場合は発注先の資本金が1000万円以下であれば、それぞれ成立します。逆に言えば、資本金がどちらも1000万円以下の小規模な会社同士の取引や、資本金の区分が同じ水準の会社同士の取引は、この法律の保護の枠から外れます(出典: 日経クロステック)。
多重下請けの階層が深くなるほど、間に入る会社の規模が小さくなっていくことは珍しくなく、3次請け、4次請けという立場は、法律の保護が届きにくい領域に近い場所でもあります。
単価を知った時、交渉しても何も変わらないだろうと感じたのは、この法制度の建てつけを知っていたからではありません。ただ、後になってこの仕組みを調べてみると、当時の感覚はあながち的外れでもなかったのだと分かります。声を上げる相手が法律上の保護対象にすら入っていない可能性がある状況では、現場の個人が単価の話を持ち出したところで、交渉の土俵に乗ること自体が難しいのです。自分がいた立場が下請法の保護対象に入るかどうかを、当時の自分は確認していませんでしたが、もし同じ状況に置かれたら、まず自社が下請法上どの位置にあるかを確認しておくことは、判断材料の一つになるはずです。
単価を上げるための一般的な打ち手を、私は結局試しませんでした
還元率や単価の差について調べると、対策として語られる内容は大体決まっています。還元率の高い会社に移る、フリーランスとして元請けに近い形で契約する、資格やスキルを身につけて単価交渉の材料にする、といったものです。どれも理屈としては理解できますし、実際にそうやって還元率を改善した人もいるのだろうと思います。
ただ、自分はそのどれも本気で試したことがありません。還元率の高い会社を探して転職活動をしたわけでもないですし、フリーランスとして独立する準備を進めたわけでもありません。単価を知った日から今に至るまで、結局は同じような働き方を続けています。
なぜ試さなかったのか、はっきりした理由があるわけではありません。強いて言えば、目の前の現場の仕事に慣れてしまっていたことと、単価の差を知った時の衝撃が、時間が経つにつれて薄れていったことの両方だと思います。「一手も変わらない」という感覚は、単価を知った直後だけでなく、その後もずっと自分の中にあり続けました。行動しなかった一番の理由は、気力の問題である以上に、還元率の高い会社を探すにも転職するにも、今の現場を離れる具体的な踏ん切りがつかなかったことだったのだと、今振り返ると思います。
単価を知ることに意味はあったのか、今の自分の実感
この話を後輩にどう伝えるか、と聞かれたら困ります。単価を交渉しろとも、転職しろとも、正直あまり言う気になれません。実際、自分もそうしなかったからです。単価を知ったところで、給与が上がったわけでも、現場が変わったわけでもありません。ただ「そうだったのか」と分かっただけでした。
ネットで検索すると、単価と手取りの差を知った上で「だから交渉すべき」「だから転職すべき」という結論に誘導する記事が多いです。それが間違っているとは思いません。ただ、自分の実感はそこまで前向きなものではなく、「知っても行動しなかった」というのが正直なところです。この記事も、その体験をそのまま書き残しておきたいという以上の狙いはありません。
同じように単価を知ってショックを受けた人の中には、実際に交渉して単価や還元率を見直してもらえたケースもあるのかもしれません。ただ、自分の場合はそうならなかったですし、そうしようとも思いませんでした。この記事を読んで「交渉すべきだった」と感じる人がいてもおかしくないと思いますし、それは間違った受け止め方ではないはずです。ただ、自分自身の実感としては、行動を起こさなかったことを今になって強く後悔しているわけでもありません。
行動しなかったことを正当化する気はありませんが、なぜ自分が動かなかったのかを整理すると、そこには「立場」の問題があったのだと思います。契約の当事者は会社同士であり、単価交渉は本来、現場のエンジニア個人が単独で挑む場ではありません。もし今、同じように単価と手取りの差を知らされたばかりの人がいるなら、まず確認してほしいのは、自分がその差をどうにかできる立場にいるのか、それとも自分にはどうしようもない契約構造の話なのか、という切り分けです。前者であれば交渉や転職という打ち手に意味がありますが、後者であれば、行動しなかったからといって自分を責める必要はないと思います。
まとめ
見積もり単価60万円、月収(額面)30万円。差額30万円の内訳は、今も正確には分かっていません。分かっているのは、この差が自分だけの特殊な体験ではなく、多重下請け構造の中ではむしろ珍しくない数字だということです。
単価を知って何かが劇的に変わったわけではありません。それでも、この数字と実感を記録として残しておくことには意味があると思っています。単価を知らされた時にできることは、交渉や転職だけではありません。自分がその差をどうにかできる立場にいるのかを見極め、動かせないと分かったなら、それを個人の力不足だと抱え込まないことです。
もう一つ、この記事を書いて自分自身が気づいたことがあります。一つは、単価と比べるべきなのは手取りではなく額面だということです。手取りと単価の差には、会社の取り分だけでなく自分自身の税金・社会保険料も含まれているので、そこを混同すると実態より大きく「取られている」と感じてしまいます。もう一つは、月次の数字だけで判断を急がず、ボーナスを含めた年収ベースで還元率を計算し直してみるとよいということです。自分の場合、月々の60万円と30万円だけを見ていた時は「取られすぎている」という感覚が強かったのですが、ボーナス込みの年収で計算し直すと還元率は約62.5%になり、業界の相場と同程度かそれ以上の水準でした。月次の数字だけを見て一喜一憂する前に、一度額面ベース・年収ベースで見直してみる価値はあると思います。
それだけでも、当時の自分より少し楽になれるはずです。同じような立場で単価を聞かされた誰かが、この記事を読んで「自分だけじゃなかった」と思えるなら、それで十分です。


