質問票を出したのに、2週間たっても返事が来ない。設計書の該当箇所は空欄のまま、レビューの日だけが近づいてくる。SESの客先常駐では、こういう場面が珍しくありません。
私はSESエンジニアとして5年ほど、4社の現場を経験してきました。2社目の詳細設計では確認事項を52件出し、最長で13営業日、返事を待ったことがあります。今回は、返事が遅い相手を責めずに、止まった作業を自分で前に進めるために私が試した手順を、文面例つきでお伝えします。
この記事で分かること
- 設計フェーズで、前工程の返事がないと作業が止まる仕組みと、確認が三次請けまで回ってくる経路
- 2社目で確認事項52件の待ち日数を数えて分かった、待たされ方の実態
- 質問を1つに絞る、回答期限を切る、前提を明示して進める、といった止まった作業を動かす手順と文面例
- リーダー、営業へと催促を上げていく順番と、営業を使うタイミング
- 前提を置いて進めてよい件と、待つべき件の線引き
目次
- SESで客先の返事が遅いと、なぜ作業が止まるのか
- 設計から担当すると、前工程の答えがないと次が書けない
- 返事を待つだけで、私は何も手を打てていませんでした
- 確認事項52件を数えて分かった、待たされ方の実態
- 返事が遅い理由を、個人のせいにしない
- 止まった作業を自分で前に進める手順
- 1. 質問を1つに絞り、選択肢を添える
- 2. 回答期限を切り、その理由を書く
- 3. 期限までに返事がなければ、こう進めると前提を明示する
- 4. 待ち案件の一覧を作り、止まっている範囲を見える化する
- 5. 待つ間は、止まった作業の外に仕事を回す
- 手順を回し始めてから、待ちはどう変わったか
- 催促は段階を踏む|自社リーダー、そして営業を使うタイミング
- 前提を置いて進めるときに越えない線
- 3社目、4社目で待ち方はどう変わったか
- まとめ
SESで客先の返事が遅いと、なぜ作業が止まるのか
最初に、2社目の現場で何が止まっていたのか、そして確認がどんな経路を回っていたのかを整理します。返事が遅いと感じたときに、まず相手ではなく仕組みを見る、という話から始めます。
設計から担当すると、前工程の答えがないと次が書けない
2社目は三次請けの業務システム開発で、私は設計から担当していました。ウォーターフォールの現場なので、元請けの側で作られた基本設計書を読んで詳細設計書を書き、そのあとに実装と単体テストへ進みます。
詳細設計に入ると、基本設計書の記述だけでは決められない点が必ず出てきます。たとえば「状況により取消可」とだけ書かれた取消ボタンの活性条件、項目の桁数、エラー時にどの画面へ戻すか、といった点です。
こうした点を自分の推測で埋めると、外れたときに設計書だけでなく、後ろの実装やテストまで直すことになります。設計フェーズは前工程の答えがないと次が書けない性質を持っていて、返事が止まれば作業も止まります。
- 私質問票を起こす
- 自社のリーダー内容を見て提出
- 二次請けの窓口取りまとめて送る
- 元請けの窓口担当客先へ確認する
- 客先のプロパー回答を決める
- 同じ経路を戻る私の手元に届く
図のとおり、私の質問は3つの窓口を通って客先のプロパーに届き、また同じ窓口を通って戻ってきます。
2社目の質問票は、回答までの日数が一定しない現場でした。チャットや口頭で直接聞けることもあり、質問票でも返事が早い日と遅い日がありましたが、この記事で扱うのは質問票に載せるほどの仕様確認です。そこへ、元請けの窓口担当の方が複数の二次請けからの確認をまとめて客先に上げる役割だったため、ここが滞ると全体が止まります。
経由する会社が1つ増えるごとに往復の日数が2日ほど伸びる、という体感は、別の記事にまとめています。
返事を待つだけで、私は何も手を打てていませんでした
参画して半年ほど、詳細設計に入った最初の1か月は、私は質問票を出して、自社の週次報告に「回答待ち」と書くだけでした。ある日、自社のリーダーにこう聞かれました。
受注関連の画面、設計の予定は先週の金曜だったと思うけど、今どうなってる?
Q-12の回答待ちで、画面の仕様が決まらないので止まっています。
それ、いつ出して、いつまでに欲しいって向こうに伝えてある?
……出したのは2週間前です。期限は書いていません。
責められたわけではなく、純粋な確認の質問でした。ただ、この一言で、自分が「待っているだけ」だったことに気づきました。
待つこと自体は、経路が長い以上、仕方がありません。問題は、止まっている理由も、いつまでに何が必要かも、私が誰にも渡していなかったことです。期限も前提も相手に渡していなかったので、傍からは「放置されている」のか「自分が動いていない」のか区別がつかない状態でした。
確認事項52件を数えて分かった、待たされ方の実態
感覚で「いつも遅い」と言っても、リーダーや営業には伝わりません。そこで、詳細設計フェーズが終わったあと、質問票の提出日と回答日を一件ずつ数え直しました。
提出日から回答日までの営業日数。回答が戻ってきた日で数えています。
4営業日以内に返ってきたのは約6割でした。残りの4割は、5営業日以上かかっています。
この数字の前提
これは私が2社目の1つのフェーズで数えた、自分の質問票の記録です。現場や相手によって、待ち日数の分布はまったく違うはずです。「三次請けだとこのくらい待つ」と一般化できる数字ではありません。
最長の13営業日は、「請求保留中の受注を取消に戻せるか」という確認でした。基本設計書には「状況により取消可」としか書かれておらず、この「状況」が決まらないと、取消の画面だけでなく、後ろの請求関連の画面も同じ状態遷移に依存していて書けません。
この件は、あとで書く手順を回し始めた3か月目の出来事です。手順を踏んでも13営業日かかった、という事実は、先に正直に書いておきます。
その間、私は他の画面を先に進めましたが、取消に依存する画面は空欄のままでした。結果として設計レビューは2営業日後ろ倒しになり、実装の着手も遅れ、その月の残業は70時間台に乗りました。普段は月40〜60時間で、終業は20〜21時ごろだった現場です。
残業が増えた理由はこの件だけではありません。ただ、待たされた時間は、あとで自分の残業として戻ってくるというのは、このとき身をもって分かりました。
返事が遅い理由を、個人のせいにしない
返事が来ないと、「なぜ答えてくれないのか」と相手にいら立つのは自然な反応です。私も、最初の1か月は元請けの窓口担当の方に対して、正直なところ、いい気持ちは持っていませんでした。
ただ、当時見えていた範囲で原因を分けてみると、個人の資質だけでは説明できませんでした。
返事が遅くなる3つの構造的な理由
- 確認の経路そのものが長い私の質問は、自社のリーダー、二次請け、元請けの3つの窓口を通ります。誰も止めていなくても、往復に日数がかかり、その日数が読めない現場でした。
- 窓口の担当者に確認が集まる元請けの窓口は、複数の二次請けからの質問を客先に上げる役でした。朝会ではいつも「確認します」と答えていて、同じ日に何件も引き受けていたのは見えていました。
- 答えを決める人が、さらに上にいる窓口の担当者が自分で決められない内容は、客先の担当者の会議や繁忙に合わせて待つことになります。
2つ目と3つ目は、本人に理由を聞いたわけではなく、見えた範囲からの推測です。ただ、朝会での受け答えに悪意や怠慢は感じられませんでした。確認の返事がいつ来るかが読めなかった、というのが実態です。
原因が人であっても経路であっても、私にできることは2つに絞られます。1つは、相手が返事を出すコストを下げること。もう1つは、止まる範囲を狭めることです。この記事の手順は、すべてこの2つのどちらかにあたります。
なお、そもそも質問を出すこと自体にためらいがある、という悩みは別の記事に書きました。今回は、質問は出せているのに返事が来ない場合に話を絞ります。
止まった作業を自分で前に進める手順
ここからが、2か月目から私が実際に回した手順です。まず全体の流れを見て、そのあと一つずつ文面例つきで説明します。
- 質問を1つに絞り、選択肢を添える回答者が「Aです」の一言で返せる形にします。
- 回答期限を切り、理由を書くいつまでに何が必要かを、相手が上に伝えられる形で渡します。
- 期限までに返事がなければ、こう進めると明示する止まるのでも、黙って決めるのでもない第三の道です。
- 待ち案件の一覧を作る何が止まっていて、何を前提に動いているかを見える化します。
- 待つ間は、止まった作業の外に仕事を回す空欄を残して、確認不要の部分を先に進めます。
- 段階を踏んで催促するリマインド、自社リーダー、営業の順に上げます。これは次の章で扱います。
1. 質問を1つに絞り、選択肢を添える
最初の1か月の質問票には、1件の中に複数の論点を詰め込んだものが多くありました。「取消まわりの仕様をいくつか教えてください」のような書き方です。
3つの論点をまとめて送ると、回答する側は3か所に確認を取りに行くことになります。1つでも未決なら、全体が返せません。
最初の1か月に書いた質問
- 「取消まわりの仕様について、いくつか教えてください」
- 取消できる条件、取消後のステータス、請求の扱いが1件に混在
- 回答者は何をどこまで答えればよいか分からない
2か月目以降に書いた質問
- 「Q-41:請求保留中の受注は、取消ボタンを押せる状態にしてよいですか」
- A:押せる(取消後は「取消済」) B:押せない(保留解除が先)
- 私の案はAです。基本設計書4.3の「状況により取消可」の「状況」を知りたい点です
自分の案を添えるのがコツです。「どう思いますか」と聞くと相手は考える作業から始めることになりますが、「Aだと思います、合っていますか」なら、確認だけで済みます。
最初の1か月の14件のうち、複数の論点を1件にまとめていたものが6件ありました。その6件は、1件も4営業日以内に返っていません。ほかの要因も絡むので因果とは言い切れませんが、少なくとも、まとめて聞くことで早くなった実感はありませんでした。
2. 回答期限を切り、その理由を書く
期限は「いつまでに」だけでなく、「なぜその日か」を一緒に書きます。理由が書いてあると、窓口の担当者が客先に催促するときに、そのまま使える材料になるからです。
実際に質問票に書いた文面(要旨)
回答期限:水曜17時。詳細設計書のレビューが翌週月曜にあり、この回答を水曜までにいただければ間に合います。それ以降になる場合は、レビューを1日延ばす必要があります。
期限は、相手への命令ではなく、お願いです。私が決めた日ではなく、次の工程の締め切りから逆算した日付にしておくと、角が立ちません。
逆算した日付が、その現場でふだん返事にかかる日数(日数が一定しない現場なら、過去の回答日から見当をつけます)より短くなる場合は、質問を出した時点で「この件は急ぎです」とリーダーに先に伝えておきます。期限だけを短く書いても、経路が短くなるわけではないからです。
3. 期限までに返事がなければ、こう進めると前提を明示する
3つ目が、一番効果があり、同時に一番扱いに注意がいる手順です。期限の文面の続きに、返事がなかったときの進め方を書きます。
期限の文面に続けて書いた一文(要旨)
ご回答がない場合は、Aの前提で設計を進めます。違っていた場合は、金曜17時までにご連絡ください。それ以降は修正が後工程に及ぶため、レビュー後の変更として扱わせてください。
これは「勝手に決める」ことではありません。決めずに止まるのでも、黙って決めて進めるのでもなく、前提を書いたうえで進めるやり方です。前提が質問票に残るので、外れたときも、何を根拠に進めたのかが記録で分かります。
2か月目以降の38件のうち、この前提進行になったのは14件でした。そのうち前提どおりだったのが11件、外れたのが3件です。
外れた3件は、項目の桁数、メッセージの文言、表示順のように、直す範囲が限られるものでした。
最大の手戻りは、項目の桁数でした。既存の項目に合わせて20桁で進めたところ、9営業日後に「30桁です」と回答が来て、3画面の設計書の修正とレビューのやり直しで約11時間かかりました。
それでも、9営業日待って止まるよりは軽い、というのが私の判断でした。ただし、取消の条件のように、外れると設計の骨格が変わる件には、この手順を使っていません。待ちます。その線引きは、後ほどまとめます。
4. 待ち案件の一覧を作り、止まっている範囲を見える化する
2か月目から、質問票とは別に、自分用の確認の一覧を作りました。質問票は提出と回答の記録ですが、「いま何が止まっているか」は一覧にしないと見えないからです。
| 番号 | 論点 | 提出日 | 期限 | 止まっている作業 | 進め方 | 状態 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Q-41 | 請求保留中の受注の取消可否 | 5/9 | 5/14 | 受注取消画面、請求関連画面 | 待つ(前提なし) | 催促1回目済 |
| Q-42 | 備考欄の最大桁数 | 5/12 | 5/15 | 受注登録画面の項目定義 | 20桁で進める | 期限超過、前提で進行中 |
| Q-43 | 取消確認ダイアログの文言 | 5/13 | 5/16 | 受注取消画面のメッセージ一覧 | 既存画面の文言に合わせる | 回答待ち |
この一覧は、自分の頭を整理するだけでなく、リーダーへの報告の形も変えました。それまでは「Q-41の回答待ちです」だけでしたが、一覧を見せれば「何が、いつまで、どこで止まるか」が一目で伝わります。
実際、一覧を週次で見せるようにしてから、リーダーが「この3件は、私から二次請けの窓口に電話する」と引き取ってくれることが出てきました。私一人では上げにくい催促も、リーダーが持つ形に変わります。
5. 待つ間は、止まった作業の外に仕事を回す
回答待ちの箇所は、設計書の中に黄色の印と質問票の番号を付けて、「確認中」と残しておきます。そのうえで、確認が要らない部分を先に進めます。共通項目の定義、エラーメッセージ一覧の整形、単体テストの観点の下書きなどです。
回答が来たら、印を付けた箇所だけ直せば済みます。止まる範囲を最小にするという、先ほどの2つ目の方針にあたる作業です。
正直に書くと、これにも限界はあります。Q-41のように、他の画面が同じ状態遷移に依存している件は、並行作業の逃げ場がありませんでした。その場合は、逃げ場がないことをリーダーに先に伝えて、レビュー日への影響を事前に共有しておくしかありません。
手順を回し始めてから、待ちはどう変わったか
最初の1か月と、手順を回した2か月目以降を比べると、次のようになりました。
| 最初の約1か月(期限なし・まとめ質問) | 2か月目以降(手順を回した時期) | |
|---|---|---|
| 確認事項の件数 | 14件 | 38件 |
| 4営業日以内に回答 | 3件(約2割) | 28件(約7割) |
| 5〜9営業日 | 8件 | 7件 |
| 10営業日以上 | 3件 | 3件 |
| 回答までの平均 | 約6.9営業日 | 約4.1営業日 |
平均は短くなりましたが、10営業日以上かかる件は3件のまま変わっていません。早く返る件が増えた一方で、本当に遅い件は手順だけでは動かなかった、というのが実態です。
私のやり方だけの効果とも言い切れません。同じ時期に、元請けの窓口担当の方の抱える案件が減った可能性もあります。それでも、少なくとも「放置されている人」ではなく、「状況が見える人」には変われました。
催促は段階を踏む|自社リーダー、そして営業を使うタイミング
期限を切っても返事が来ない件は、当然あります。そのときの催促を、私は3段階に分けていました。いきなり営業に頼むのではなく、軽いものから順に上げます。
| 段階 | 誰に | いつ | 内容 |
|---|---|---|---|
| 1 | 質問票・チャットで窓口の担当者に | 期限の前日 | 「明日17時が期限です。難しい場合は、いつ頃になりそうか目安だけ教えてください」 |
| 2 | 自社のリーダーに | 期限を過ぎたら | 確認の一覧を見せて、二次請けの窓口への連絡を相談する |
| 3 | 自社の営業に | 次工程の期限に影響する件だけ | 一覧を添えて、契約窓口から状況を確認してもらう |
段階1のポイントは、回答そのものではなく、返事が来る「日付」を聞くことです。答えがまだ出ていなくても、「来週の火曜になりそうです」と分かれば、私は並行作業の組み立てを変えられます。
段階2は、自社のリーダーが現場にいる前提です。2社目はリーダーが常駐していたので、段階2を使えました。自社の人が自分しかいない現場では、段階2を飛ばして営業に直接つなぐことになります。一人配置の現場で困ったことは、別の記事に書きました。
段階3の営業は、13営業日待ったQ-41の件で、1回だけ使いました。10営業日を超えた時点で、一覧を添えて営業にチャットを送っています。
Q-41が10営業日を超えて回答がなく、来週月曜の設計レビューに影響します。一覧を添付します。元請けの上位の方に、状況だけ確認いただくことはできますか。
承知しました。契約窓口から進捗を確認してみます。回答が出たらお知らせします。
回答が来たのは、このやり取りの2営業日後でした。営業が動いたからなのか、ちょうど客先の会議が終わったからなのか、因果は分かりません。
ただ、営業を通すことで、私が窓口の担当者に催促する形ではなく、契約窓口が状況を確認する形になりました。窓口の若手の担当者の顔を立てながら、上に状況を伝えられる点は、直接の催促にはない利点だと感じています。
営業の役割と限界は、別の記事で書いたとおりです。順調に動いている常駐メンバーへのフォローは後回しになりやすい、という前提で、使うのは次工程に響く件だけ、1つの現場で多用しない、と決めていました。
私の経験では、営業に頼るのは、一覧という材料を渡せるときに限ります。「返事が来なくて困っています」だけを送っても、営業は現場の様子を知らないので、動きようがないからです。
前提を置いて進めるときに越えない線
前提を明示して進める手順は、効果がある分、使い方を誤ると危うくなります。私が自分に課していた線を、ここにまとめておきます。
前提を置いて進めてよいかの確認項目
- 外れたときの手戻りが、半日から1日以内で収まるか
- 他の画面や、他のチームの設計に波及しないか
- 前提を質問票かチャットで、文面として相手に送っているか
- 自社のリーダーに、前提で進めることを共有したか
- 仕様の「決定」ではなく、記述の補完にとどまっているか
1つでも当てはまらないなら、待ちます。取消の条件が待ち一択だったのは、外れると設計の骨格が変わり、請求関連の画面にまで波及するからです。
もう1つ、気をつけていることがあります。「そちらで判断して進めてください」と返された場合の扱いです。
設計の判断を私がしてよいのかは、契約の範囲に関わる話です。丸投げのような返事が来たときは、判断した内容と日付を質問票に残し、自社のリーダーにも共有します。範囲の考え方は、契約外の作業を頼まれたときの記事にまとめています。
指揮命令との関係で、確認しておいたこと
厚生労働省の「37号告示に関する疑義応答集(第1集)」には、発注者が請負事業主に要求・説明をすることは当事者間で問題ないとされる一方、請負労働者に直接指示を出すと直接の指揮命令にあたる、という整理があります(Q2・Q11)。また、作業の順序や方法を発注者が指示することや、作業の内容・順序・方法を文書等で詳細に示してそのとおりに作業させている場合は、偽装請負と判断される、という整理もあります(Q7)。
これは請負と派遣の区分の考え方を示した資料で、準委任を直接扱うものではありません。質問や確認をすること自体を問題にしているものでもありません。判断は個別の実態によるので、気になる場合は自社の窓口か労働局に相談してください(出典: 37号告示に関するQ&A(第1集)|厚生労働省)。
私がここから取り入れた注意は、1つだけです。前提進行は「私から出す提案」であって、客先の指示ではない、という形を崩さないこと。返事の中に作業の順序や進め方まで細かく書かれたときは、私一人で受けず、自社のリーダーを経由させるようにしています。
3社目、4社目で待ち方はどう変わったか
3社目、4社目は、経由する会社が2社目より少なく、待ちの問題が表に出にくい現場でした。経路が短く、課題管理票で記録も残る現場では、待ちの問題はそもそも目立ちにくくなります。
立場が変わって気づいたこともあります。今の現場では、自社の管理職として3〜5名のメンバーから確認を受ける側にもなりました。私の返事が遅いと、メンバーが私と同じ「待ち」に入ります。
そこで決めたのは、答えがまだ出せない質問にも、その場で「◯日に状況を返します」と日付だけ返すことです。答えがなくても、日付があれば、待つ側は並行作業を組めます。かつて私が窓口の担当者に求めていたのと同じことを、今は自分の側に課しています。
なお、待ちが構造的に多い現場に居続けるかどうかは、別の判断です。ただ、確認の一覧に残った待ち日数は、その判断をするときの数字の材料にもなります。感覚ではなく、「この3か月で、待ちが延べ何営業日あったか」を持っておけます。
まとめ
SESで客先の返事が遅いとき、作業が止まるのは、相手が怠けているからとは限りません。確認が三次請けから客先まで順に回る構造と、前工程の答えがないと次が書けない設計フェーズの性質が重なっているからです。
私は2社目で、最初の1か月は質問票を出して待つだけでした。期限も前提も渡していなかったので、放置されているように見える状態を、自分でつくっていました。
返事が来ない件を前に進める手順
- 質問は1つに絞り、選択肢と自分の案を添える
- 回答期限を、次工程の締め切りから逆算して理由つきで書く
- 期限までに返事がなければこう進める、と前提を文面で残す
- 待ち案件の一覧を作り、止まっている範囲を見える化する
- 催促は、リマインド、自社リーダー、営業の順に上げる
- 外れると波及が大きい件は、前提で進めずに待つ
それでも、13営業日待たされた件のように、手順だけでは動かない件は残りました。早く返る件が増えるのは確かですが、すべての待ちをなくせるわけではありません。
まず今日できるのは、いま止まっている確認を、一覧に書き出すことです。何が、いつから、どこで止まっているかを自分で数えるだけで、リーダーや営業に渡せる材料になります。




